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連載「弁護士Mの法律小咄」の記事(2002・10・30)
最近、お客様から、従業員の給料が差し押さえられたとの相談を受けました。
ローン会社などが裁判所に申立てをし、会社に、借主である従業員の給料の一部を支払わないようにさせ、最終的には自分に直接支払って貰えるようにする手続で、プロやセミプロは「給」料の「差」押えを略して、「キュウサシ」などと呼ぶ場合があります。
お客様によると、従業員本人は一括して返済するので大丈夫だから、給料を全額払って欲しいと言っている、というのです。顧問のお客様でしたので、顧問サービスとして無料で、その時点でもっとも安全な対応方法を説明致しました。以前にも別の顧問のお客様から相談を受けましたが、差押され支払をしてはいけない金額の計算や供託による対応などなどより具体的なアドバイスが必要な事案でした。もちろん、顧問ですので、顧問サービスとして対応しました。
さて、冒頭でご紹介した案件ですが、幸いにも、実際に債権者と話がついたようで差押えが取り下げられ事なきを得ましたが、顧問の社長には、裁判所の取下げ手続がされない限り所定の額を支払わないで置くようアドバイスしておきました。その後しばらくして、社長からは、そのような取下げの手続に関する書類が送られてきたことが報告され、私も、支払のGOサインを出したわけです。
今回の件は、このような場合は、従業員の言葉どおりの結果となりましたが、鵜呑みにして失敗した例もあります。従業員の説明を信じ、希望どおり給料を全額支払っていたところ、その後退職し忘れていたら、債権者から全額支払いの請求があり、困ったという相談でした。
結論はと言えば、法律的には債権者に差押すべきであった分を支払わなければならず、要するに、二重払いせざるをえないことになってしまっていたのでした。初めから騙そうとしていたのかどうかは、今となってはわかりませんが、お金というのは、いくら支払う意思があったところで、現実に用意できなければ支払うことはできません。後で裏切られたと言ってみても、何も解決にはならないことになります。
上記の説明を見ると対応が一見簡単そうにもみえますが、法律的なポイントを実際に確認したうえ対応しなければ、二重払いになった例のように大変な事態にもなりかねません。
従業員の給与の差押されたような場合は、是非、特に顧問の皆様につきましては、顧問料の範囲内で対応できますので、必ずご相談下さい。
◎ WEB専門ニュースサイト BNN
連載「弁護士Mの法律小咄」の記事(2002・10・30)
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