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コラム

亡き大家の息子が「難題」

出典:毎日新聞 平成12年3月30日朝刊
『La Femme~ラ・ファム~』連載

私は、ビルの1階を借りて、夫と二人で洋菓子店を営んでいます。
最近、顧客が増え喜んでいましたがビルオーナーが先日亡くなり、相続したオーナーの息子から「家賃を2倍払うか、出ていくかのどちらかにしてほしい」と申し入れがありました。
申し入れに応じなければならないのでしょうか。
(洋菓子店経営 43歳)

賃貸借の場合、賃貸人(大家)が亡くなり、相続が生じても借り主(店子)の立場はまったく変わりません。相続人が亡くなった人(被相続人)の法律上の立場をそのまま引き継ぐからです。
新しい大家が契約書に改めてサインをしなくても、店子は亡くなった大家さんとの間で決めた約束事を主張できます。

もっとも相続の問題と関係なく家賃を増額できる権利を持っています(借賃増減請求権)。ただ、状況と世間の常識を踏まえた上での増額であって、過大に増額することが出来るわけではありません。そして、協議がまとまらなければ、裁判所の手続が必要となります。

また、借地借家法では、当事者が約束した期限が来ても、大家に正当な理由(正当の事由)がなければ、契約はいわば自動的に更新されます(法定更新)。正当な理由を備えることはなかなか難しく、他に売却したいという理由だけでは大家が店子を追い出すことは困難です。

ところで、借地借家法が一部改正され(良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法)、平成12年3月1日から定期建物賃貸借制度が設けられ、定期借家契約が認められるようになりました。期間が満了すると、確実に明渡しをすることができる契約です。

従来の同法がいささか借り主保護に傾きすぎていたとの認識に基づき、このような契約を認めたのです。ただし、定期借家契約の締結は、法律の定めた手続を確実に経た場合にだけ認められ、その要件を満たさない限り、従来の借地借家法どおりに処理されることになります。
ただ、定期借家契約は今後増加すると考えられ、貸す側も借りる側も十分に研究する必要です。

相談者の方の場合は、店舗として借りているので、オーナーの息子が持ってきた契約書にサインすると、定期借家契約に切り替わってしまう恐れもあります(居住用以外の建物については、従来の借家契約を双方合意の上で解除し、新たに定期借家契約を結ぶこともできます。)。交渉が始まったら弁護士などの専門家に必ず相談してください。
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