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コラム

隠された秘密
保証についての誤解:予想をはるかに超えた金額を負担しなければならない場合がある!! 

出典:毎日新聞 平成11年11月29日朝刊
『La Femme~ラ・ファム~』連載
原題:「保証人になる時、注意点は」

夫が、会社の上司に「決して迷惑を掛けないから、形だけの保証人となってほしい」と頼まれました。上司は、私たちの仲人で、今でもいろいろお世話になっている人です。最近、商工ローンに関する報道もあり、保証人となるのは不安です。
保証人になる場合、どのようなことに注意すればよいのですか。
(主婦、51歳)

保証とは、だれかがお金を借りるようなとき、借り主本人が返済しない場合に代わって返済することを、債権者と約束することを言います。
その中で、「連帯保証」という言葉を聞いたことがあると思います。

保証人になった人が、債権者から直接に請求を受けた場合、保証人としては、まず本人に請求して欲しいとか、本人には財産があるはずだとか、また、ほかにもう一人保証人がいたとすれば、支払うとしても半分だけだと言いたくなるはずです。

しかし、連帯保証人になると、このような言い分が法律的に認められなくなります。要するに、連帯保証人というのは、借主本人と同じ立場に立つこと、つまり自分自身で借りることと同じと考えておいて下さい。そして、現実には、保証するという場合は、ほぼ100%がこの連帯保証です。見落としがちですが、署名捺印を求められた書類をよく見ると、必ずと言ってよいほど「連帯」という文字が入っています。保証人になることを頼まれると言うことは、実は連帯保証人になることを頼まれていると言うことです。

さて、保証を頼まれるときは、「迷惑をかけない」、「形だけ」と言われます。しかし、外見上は裕福だが内情は「火の車」だったりしますし、世の中何が起こるか、分かりません。本人が返済できない場合が少なくないので保証という仕組みができていることを理解しておくべきです。保証契約は、債権者との間の約束事ですから、借りる本人からどのように説明を受けたかは、債権者に対する言い分としては、原則として意味を持ちません。

理屈のうえでは、「迷惑をかけない」という言葉ではなく、本人が本当に返済することができる資力があるかを判断しなければならないことになります。しかし、素人判断では、このことを判断するのはかなり困難です。

ですから、保証人になる場合は、すべて自分が支払うことがあると覚悟しなければなりません。

最近、商工ローン問題の報道の中で、「根保証」という言葉がよく出てきます。
「100万円を借りるので保証人になって欲しい」と頼まれた場合、100万円と利息などを払えば良いと思うのが普通でしょう。

ところが、例えば、既に200万円を借りていて、その後150万円借りたとすれば、合計450万円を保証しなければならないことになるのです。

木を見れば100万円ですが、木には必ず根があります。根があれば木は生長します。根保証は今見える木だけではなく、成長している木全体を保証しているのです。

このように、保証と言えば、ほとんどすべてが連帯保証であり、またときには、根保証である場合があるということになれば、自分が責任を負うことを覚悟するとしても、自分がどのような責任を負うのかを十分に理解しておかなければなりません。

弁護士に相談に来る人の大半が、債権者に請求されてしまってからのことです。
何事も、不安であれば、事前に弁護士等の専門家に相談する、そんな余裕を持った行動が必要だと思います。

なお、「今すぐに保証してくれなければ、倒産してしまう」などと頼まれる場合は、極めて危険な場面です。多くの場合、保証人自身がすべてかぶってしまう、そんな不幸の始まる瞬間といっても過言ではありません。

(註)保証については、後記のとおり、民法の内容が改正されています。

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