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コラム
実務家教員奮戦記(北大法科大学院(ロースクール))
出典:『札幌弁護士会 会報』 平成16年7月号
北海道大学法科大学院で、実務家教員として、桶谷治弁護士(札幌弁護士会)、中村元弥弁護士(旭川弁護士会)とともに、“標準3年コース”の学生を対象とする民事法基礎ゼミ(必修)を担当しています。
要すると、法学を学んだことがない学生(法学未習者)がわずか1年で民法全範囲を修得するために、講義の外に、お手伝いをするシステムということになります。北大法科大学院発行の講義要領(シラバス)によると、「学生を3つの小グループに分け、各グループを実務経験15年以上のベテラン弁護士1名が1年間10回にわたり、法運用の実態をふまえ、かつ要点をおさえた学習を指導する。」とされており(概ね客観的な説明ではありますが、いささか・・・)、私どもを含め10数名の弁護士と北大の教授連が完成させた問題を、17または18名の学生が検討し答案を作成・提出し、私どもが添削したうえで(ただし、3回分は、他の弁護士が採点してくれます。)、授業が行われる仕組みで、全国のロースクールにも例を見ない、“超目玉”商品の一つと位置付けられております。
が、・・・、しかし・・・
暗中模索・・・
七転八倒・・・
七転八起・・・
正直、きつい。1通の答案の採点するだけでも、1時間近くかかり、予習その他も含めると、ほとんど丸2日は、間違いなく・・・、潰れます。
しかし、当初の予想をはるかに超えて学生らは全力でこのゼミに取り組んでくれています。学生の強烈なエネルギーを浴びながら、法律の知識を見つめ直してみたり、分かりやすい説明をするために頭をひねるという作業は、私自身の実務的な技能や感覚を研鑽・錬磨・復旧するためのよい機会になっているように思えてきました。
5回のゼミを終えましたが、1人の落伍者もおらず、残り半分、学生とともに、暗中模索、七転八倒、七転八起で、初志貫徹致したいと考えております。巷では、新司法試験の合格率は5割を切るとか言われていますが、私ども3名の担当しているゼミ員総数は52名。全員が合格したとしても、決して、統計上の“有意性”はなく、世間に迷惑をかけることではありません。
そんな気持ちで、3名の教官は、今日もまた、答案に朱筆を入れております。

PS 弁護士の諸先生!! 離婚に伴う慰藉料の時間的範囲について相談されたらどう答えますか。婚姻当初からの出来事について、時間的な制限はない、皆さんそう答えられるでしょう。でも、なぜ3年をとっくに過ぎた浮気に関しても消滅時効(民法724条)にかかってしまわないのか?
ゼミのための予習をしていると、ふと学生時代を思い出すのです。そう、民法159条の2(註)という条文があったのです。なお、離婚後6か月放っておくと、弁護過誤になりかねませんので、条文をご確認下さい。
(註)新しい民法
「民法の一部を改正する法律」が平成16年11月25日成立して、平成17年4月1日から施行されています。要するに、従来からの民法典が改正されました。
新しい民法典では、全面的に現代語化されるとともに、保証について、重大な変更が加えられ、新しい規定が新設されました。
本稿執筆時は、民法がまだ改正しておらず、本稿では旧民法の条番号で表示してありますが、その後、民法改正に伴い、民法159条の2は、民法159条となり、次のように、改正されました。
【改正前】
第百五十九条の二 夫婦ノ一方カ他ノ一方ニ対シテ有スル権利ニ付テハ婚姻解消ノ時ヨリ六个月内ハ時効完成セス
【改正前】
(夫婦間の権利の時効の停止)
第百五十九条 夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
なお、もちろんこの民法改正については知っておりましたが、この条文の条番号までもが変更されていたことは知りませんでした。
実は、このページを見てくれた、北大ロースクールの私のクラスの出身者であるN君からのご指摘による対応です。
【関連記事】
http://blog.livedoor.jp/smaedalaw#060615 (更なる改正)
http://blog.livedoor.jp/smaedalaw#051220 (今回の改正)
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