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準備書面5

2011年8月17日 20:24

平成20年第20●●号報酬金請求事件
次回期日 平成22年5月19日午後3時30分
                                      原    告   株式会社○○○○○
                                      被    告   株式会社●●●●●
                                                                           
                準    備    書    面

                                                        平成22年5月18日

札 幌 地 方 裁 判 所 民 事 第 ●部 2 係 御中

                         原告訴訟代理人弁護士  前  田  尚  一 


第1 今後の進行について
 1 担当裁判官は,平成22年3月18日の第9回弁論準備手続期日において,当職に代わって出頭した原告訴訟復代理人に対し,《5月12日までに原告の主張を再検討し,準備書面を提出するとともに,本訴訟の進行についても再検討する》ように指示した(同期日調書。)。
     しかしながら,同年2月3日の第8回弁論準備手続期日においては,担当裁判官は,同月2日付け原告準備書面を陳述扱いとしないままとし,被告訴訟代理人に対しては,同書面の内容を踏まえ,争う部分とそうでない部分を検討した上,《3月11日までに本件における争点について再確認のうえ,準備書面を提出》することを指示していたのであり(同期日調書),被告が争うとする部分を踏まえ,原告において,上記準備書面をコンパクトにするなりして適切な対処をし,平成第9回弁論準備手続期日において,実質的な争点整理が完了するはずであった(調書中の「本件請求を再構築したい」というのは,いささか大袈裟な表現である。)。
   
     ところが,第9回弁論準備手続期日においては,被告準備書面が提出されていない状況において,担当裁判官は,後記のとおり,第8回弁論準備手続期日における当事者に対して準備を指示する前に述べたことを蒸し返し,上記原告準備書面(「第1 本件WEB構築契約の構成について」)において,本件WEB構築契約について三つの構成を示してする主張の趣旨が分からないと述べて,相手方訴訟代理人は,これに乗じて,このような趣旨の分からない準備書面に対しては反論のしようがないと述べ,担当裁判官は「もう一度主張の趣旨を明確にされないと相手方も反論のしようがないですよ。」と述べ,原告訴訟復代理人に対し,原告から準備書面を提出するよう指示したとのことである。
     なお,当事務所において本件は当職が担当であるが,同月15日が疾患が判明し,急を要するため翌16日入院同日手術施行という事態となり,当職に代わって原告訴訟復代理人が出頭したものである。
     こうして,同期日までの1か月半が経過する間,被告訴訟代理人から予定の準備書面を提出しないとの連絡はもとより,担当裁判官からの期日外釈明等の処置もないまま迎えた期日は空転したばかりか,第8回弁論準備手続期日の当初の状況までタイムスリップしたまま,担当裁判官の必要とする争点整理が,年度を変えた次回期日まで持ち越されることとなり,担当裁判官も交代することになってしまった。
     
 2 当職が平成22年2月2日付け準備書面に提出したのは,第7回弁論準備手続期日において,担当裁判官から,《本件WEBサイト構築について,正式に被告から原告に発注された時期及び内容について,甲第22号証を踏まえて主張を整理する》よう指示を受けたからである(調書)。
     第6回弁論準備手続期日において,当職は,担当裁判官から,被告準備書面に対する認否・反論を記載した準備書面及び申出済み証人の陳述書を提出するよう指示されていた。しかし,原告側において,陳述書を作成するために事実経過を関連証拠と照らす作業に思いのほか手間取り,甲第76号証を提出したものの(なお,甲80),上記準備書面を提出することができなかった。
   
     もとより,このことは原告側の不手際であり,担当裁判官から,次回期日前に上記の認否・反論を記載した準備書面を提出するよう再度指示されるのは当然のことであるが,担当裁判官は,当職に対し,新たに《本件ウェブサイト構築について,正式に被告から原告に発注された時期及び内容について,甲第22号証を踏まえて主張を整理する》ことを新たに指示した。
     しかし,上記の正式に発注された時期及び内容については,例えば,原告は,訴状の第2の2(1)(2頁),平成21年2月27日付け準備書面の第1の1ア(2頁),第4の7(10頁)において,被告は,平成20年11月11日付け準備書面の第2の1(1)(3頁),平成21年9月1日付け準備書面で,それぞれの立場から既に主張を明らかにしていたところである。
     また,甲第22号証についても,例えば,原告は,上記原告準備書面の第4の7(10頁)で正式発注との関連で主張し,被告は,平成21年4月27日付け準備の3でこれに反論していたものであり,当職としては,担当裁判官が,この時期になって改めて,上記のような釈明を求めたのは,不可解なことであった。
   
 3 本件訴えが提起されたのは平成20年7月16日であって,本件訴訟は長期化している。

     被告は,本件の事実関係が錯綜していることを背景として(第2回口頭弁論調書中の記載),第1,2回口頭弁論までに請求原因に対する認否ができず,同年11月19日の第1回弁論準備手続期日になって同月11日付け準備書面書面を陳述してこれを完了したものであること,原告も,同弁論準備手続期日に事実関係ないし主張を記載した書面を提出することとたったが,関連証拠(甲第14ないし74号証)の整理に加え,これらに照らして整合性を確認しながら,事実経過を整理することに手間取り,平成21年2月27日付け準備書面を陳述したのが同年3月2日の第2回弁論準備手続になってしまったこと等々,各当事者が準備をするのにに時間を要したことも,本件訴訟が長期化した原因であることは自覚している。

     しかしながら,第2回弁論準備手続以降,被告が,同年4月27日付け,同年7月7日付け,同年9月1日付け,同年10月8日付けの各準備書面を連続して提出し,同年10月15日の第6回各弁論準備期日までの間4回開かれた各弁論準備手続期日で順次陳述するという経過を辿り,担当裁判官の考えに照らし上記原告準備書面に対する認否・反論が完了したとされるまで7か月余りの期間を要することとなった。
     前述のとおり,第1回弁論準備手続期日において,平成20年11月11日付け被告準備書面が陳述され,遅くともこれによって,本件の紛争の実態は浮かび上がっていたもので,この時点で,原被告間に本件WEBサイトを構築する請負契約が成立していること,一定のWEBサイトが完成していることに争いはなく,争点となるのは,本件WEBサイト構築の代金額とその確定する過程であることは明らかとなっていた。
     このような場合,裁判所が,事件全体を的確に見通した上で,整理すべき間接事実や事情の外郭を個別具体的に特定して示すなどして適切に釈明を求めていけば,被告も,裁判所の明確な意向に応じた認否・反論を速やかに終えることも可能であったと思われる。
     しかし,当職の主観的認識ではあるが,担当裁判官の求釈明は,積極的ではあるものの,被告準備書面が提出されるたびに,新たな疑問を提示して不足を包括的あるいは抽象的に指摘するというものであった。
   
     また,担当裁判官は,本件WEB構築契約における合意内容を検討するに当たって,同じ請負契約の範疇とはいえ,システム開発委託契約とは,その性質,特に合意内容の確定プロセスにおいて大きく異なる建物建築工事請負契約を喩えにして議論しようとし,当職の印象としては,WEBサイト構築に係る契約の法的理解がいささか不十分であるように思われた。
     そのため,当職としては,後に法的観点からの議論が再燃し,更に長期化することを危惧して,「第1 本件WEB構築契約の構成について」の部分を記載した平成22年2月2日付け原告準備書面を提出した。
   
     同記載部分は7頁に及ぶものではあるが,上記の趣旨で起案したものであるから,一見すれば明らかなとおり,選択的主張の体裁をとって,本件WEB構築契約をシステム開発委託契約の一形態又は類似のものとして理解する場合においてあり得る法的構成を形式的に示したうえ,それぞれの構成に合わせて,それまでに原告が第2回弁論準備手続期日までに主張し,被告が第6回弁論準備期日までに認否を完了していた事実関係を繰り返し述べたにすぎないものであった。
     したがって,本件WEBサイトを構築する請負契約が成立していることは争っていない被告に,原告が選択的主張の体裁で示した法的構成から採用するものを選んでもらえさえすれば,「第1 本件WEB構築契約の構成について」の役目は終わるものであった。
     しかるに,担当裁判官の訴訟指揮は,前記1(1)で述べたとおり,まず被告に対応させることを前提として,第9回弁論準備手続期日に持ち越したうえ,同期日においては,同期日を空転させ,第8回弁論準備手続期日の状態まで逆戻りさせたというほかないものであった。
   
     ただ,第8回弁論準備手続期日以降の時間の経過において,原告としても再度ふり返りをする過程で,甲第81ないし83号証が見付かったことは,不幸中の幸いであった。後記第2以下でこれらを引用する。
   
 4 以上述べた経緯は,当職の主観的認識に基づくものに過ぎないが,いずれにしても,原告としては,裁判所が必要と考える争点整理を早期に完了させ,速やかに証拠調べ行ったうえ結審し,判決をいただきたいと考えている。
     当職としては,本準備書面を,従来の担当裁判官の指示をそのまま受け,意向に沿っているつもりで提出するものであるが,裁判所の意向にそぐわないのであれば,具体的に特定した求釈明をいただければ,無条件に直ちに対応する考えである。
   
     なお,従前の担当裁判官は,第9回弁論準備手続期日において,原告訴訟復代理人に対し,被告訴訟代理人に被告の現状の説明を求めた上,原告訴訟復代理人に対し,《本訴訟の進行についても再検討する》よう要請しているが(調書),原告としては,第8回弁論準備手続期日において,当職が《被告が,破産等の法的整理による会社の清算を選択しない限り,本件訴訟は継続させる》(調書)と明確に表明したとおり,本件訴訟を取り下げる考えはない。


第2 本件WEB構築契約に基づくの代金請求の根拠
     以下は,第9回弁論準備手続期日における《原告の主張を再検討し,準備書面を提出》すべしとの担当裁判官の指示に従い,平成22年2月2日付け原告準備書面の「第1 本件WEB構築契約の構成について」の部分を書き改めるものである。
     もっとも,被告が本件ECサイトの構築に係る代金額を争っているが,その発生原因となる本件WEBサイト構築契約の成立自体は争っておらず,裁判所は,その構成について,原告が従前から主張しているもので足りると考えているという前提で,従前から原告の主張を敷延して述べるものである。
     また,事実関係の主張については,後記2(1)ウ(ア)において,甲第81号証に係る説明部分を追加したほか,従前の主張と同様である。
   
     もし仮に上記前提が,当職の誤った認識による思い込みであるということであれば,被告は,本件WEB構築契約の法律構成を明らかにして具体的な反論をしていただきたい。
   
                                                  (以下略)


第3 被告第5準備書面に対する再反論(略)


第4 本件に至る経緯
     本件に至る全般的な経緯の詳細は,次のとおり訂正するほかは,平成21年2月27日付け原告準備書面の「第4 本件に至る経緯」(7頁以下)に記載とおりである。なお,訂正部分は,甲第81ないし83号証を踏まえ,検討し直したものである。
     したがって,既に上記箇所に対する認否・反論を終えている被告には,速やかな認否・反論が可能であると思料される。
   
   
                                                  (以下略)