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メルマガ【弁護士前田尚一の「本当は怖い身近な法律問題」】の新作を発行しました。

2009年12月29日 20:11

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     本当は怖い身近な法律問題 vol.6 2009.12.29
          http://www.smaedalaw.com/
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 皆さん、こんにちは。札幌の弁護士,前田尚一です。
 今年も,まもなく終わり。ほんの少し向こうには,2010年が登場を待ち
構えています。

 ⇒ http://blog.livedoor.jp/smaedalaw/archives/51370315.html

 本年最後は,ちょっと理屈っぽい話ですが,知っておくと,いろいろなこと
が見えてくる。そんな法律の考え方をお伝えします。

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 まずは,あなた自身が,次のような場面に遭遇したとイメージして下さい。
 昔すごく仲が良かったのに,ある出来事をきっかけにすっかり仲が悪くなっ
てしまった人を具体的に思い浮かべて見てください。

 あなたは,この相手とこじれています。相手から,突然,100万円を返せ,
と裁判を起こされたのです。

 お金を返す筋合いなど全くないのです。まったくの言い掛かりなのです。
 言い掛かりなので,相手の手元には証拠がないのですが,あなたも手元にも,
一気に相手をたたきのめす証拠がないのです。

 次の二つの場合を考えてみてください。

 1 全く借りたことはない場合。
 2 確かに借りたことはあるけれど,とっくの昔に返してしまったいた場合

   ****************************


 裁判は,言い分を闘わせる場です。
 裁判所は何も分からないところから,勝ち負けが決まっていくわけですから,
決め方にルールがあります。
 
 「立証責任」とか「証明責任」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
 裁判では,証明をしなければ勝てないというということは,誰でも知っている
ことです。

 このことをもう少しプロっぽく説明しようと思います。
 ただ,大学の先生には不正確だと叱られてしまうかも知れませんが,キモの理
解を分かりやすく説明することを本分にしてお伝えします。

 裁判は,法律で裁かれるわけですから,争いがある限り,原告,被告は,法律
で定められた事実を主張し,証明することになります。


 ある事実があったのか,なかったのか分からない場合(真偽不明),裁判所は,
その事実はないものと扱い,勝ち負けを判断することになります。

 その場合,一見当たり前のようですが,「立証責任」のもっとも基本的なキモ
は,

 《自己に有利となる事実は,有利となる側で証明しなければならない》という
ことです。


   ****************************

 さて,例題に戻ります。

 100万円を返せ,と裁判を起こされたけれど,全く借りたことがない場合。

 被告のあなたは,借りたことはないと回答すれば,それで,あなたは勝ちとな
ります。

 この例題では,あなたも相手も証拠がない。つまり,原告である相手があなた
に貸したという有利な事実を証明できないのですから。


 あなたは,「借りていない」ということを証明する必要はありません。

 証明の対象は,原則として,事実があったことです。
 例えば,「どんな癌でも治すことができる温泉がある」ということが争いとな
った場合,そのような温泉がないことを証明するのは殆
ど不可能です。世界中の温泉全てについて,直せない癌があることを証明し尽く
さなければならないからです。
 しかし,そのような温泉があることを証明するのは,一つ具体例を挙げればす
むのです。
 
事実がないことを証明することを求めれることは,このようにほとんど不可能
なので,悪魔に無理を強いられるというイメージで,
「悪魔の証明」といわれています。例外的にこのような証明が求められる場合も
ありますが,とんでもなくまれな場合です。


   ****************************


 では,100万円を借りたことはあるけれど,とっくの昔に返してしまって
いた場合はどうでしょう。

 とりあえず,正直者のあなたは,100万円を借りたことはあるので,10
0万円を借りたことを認めることでしょう。
 そうすると,相手が,借用証書などこのことの証拠が全くない場合であって
も,あなたが認めた以上,このことに争いがないものとして,裁判所は,「あ
なたが100万円を借りた」こととして扱います。

 さて,あなたは,「でも,全部返したよ」と主張し,徹底抗戦をすることに
なるでしょう。

 しかし,例題の設定では,あなたは,領収書など,借りたお金を全部返しこ
とを証明する証拠を持ち合わせていないのです。

 あなたは,あなたにとって,有利な事実を証明することができない。
 もちろん,相手は,返してもらっていないことを証明する必要もない。
 つまり,裁判所にとって,あなたが100万円を返したかどうかは,真偽不
明となる・・・・・・。

 もう,お分かりでしょう。

 裁判のルール上,あなたは負けるのです。


   ****************************


 それでは,例題のように,どちらにも証拠がないように見える場合,あなた
は,100万円を借りたことはあるけれど,とっくの昔に返してしまった場合
であっても,全く借りたことはないと言い切った方がよい????

 これも一面の真実です。

 しかし,損得勘定だけ考えても,そうとは言い切れないのが現実です。

 その理由は・・・。

 私もようやく休みには入り,先ほど温泉に来たところです。
 これから温泉に入りますので,続きは,来年お話しすることにいたしましょ
う。

 では,よいお年をお迎えください。

* 今日のメルマガにご意見,ご質問をお願いいたします。今後の糧にさせて

ただきます。
 ⇒ http://blog.livedoor.jp/smaedalaw/
(借金を踏み倒す方法についての一考察)


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本号までのバックナンバーのご紹介
○vol.1 2009.8.7
 新人ホテルマンA君、そして経営者であるホテル会社に、突然やって
きた『法律問題』・・・【問題編】
 ⇒ http://archive.mag2.com/0001001640/20090808100000000.html
○号外速報版 2009.8.13
 寄稿「裁判員ドラマの『主人公』酒井法子容疑者の犯罪」などのご紹介
 ⇒ http://archive.mag2.com/0001001640/20090813132000000.html
○vol.2 2009.8.18
 新人ホテルマンA君、そして経営者であるホテル会社に、突然やって
きた『法律問題』・・・【解決編】
http://archive.mag2.com/0001001640/20090818234612000.html
○vol.3 2009.9.10
 気弱なP太郎君が,極悪人となるプロセス
 ⇒ http://archive.mag2.com/0001001640/20090909211203000.html
○号外速報版  2009.9.17
 寄稿「酒井法子被告が保釈 保証金の額で推測できるアイドルの経済力」
などのご紹介
 ⇒ http://archive.mag2.com/0001001640/20090917213404000.html
○vol.4 2009.10.8
 最高裁判所での口頭弁論前に,南門からの外階段を上るとき,思い切り
蹴躓(けつまず)いて,左足の親指を突き指した話と,勝敗を決める顧客の
「生命力」
 ⇒ http://archive.mag2.com/0001001640/20091008195618000.html




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