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メルマガ【弁護士前田尚一の「本当は怖い身近な法律問題」】の新作を発行しました。

2010年2月15日 20:11

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    本当は怖い身近な法律問題 vol.7 2010.2.15
          http://www.smaedalaw.com/
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 皆さん、こんにちは。札幌の弁護士,前田尚一です。

 早いもので,もう2月中旬。
 ちょうど一月前,北海道北見市に赴き,講演をして参りました。
 「コンプライアンスの基本理解と日常における留意点」というテーマでお話
しさせていただきました。
 ⇒ http://www.smaedalaw.com/mt/2010/01/post-20.php
     (レジュメなどを掲載してあります。)
  
 難しいテーマですが,具体例の宝庫である分野です。
 今回は,そのときお話しした具体例の中で興味深い事例をお伝えすることし
ます。

 ところで,今年に入って,従来の総合サイトに加え,専門サイトをアップい
たしました。ご覧いただけると幸いです。
 ⇒ http://saimuseiri-kabarai.com/

 私共の仕事は,皆様のを常にお伺いしていかなければ,良いサービスを提供
することができません。
 今日のメルマガの内容のほか,上記サイトについてのご感想などについて,
お気軽にご講評いただけると助かります。
 ⇒ http://blog.livedoor.jp/smaedalaw/archives/51376160.html
 
 宜しくお願い致します。

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 それでは,本題に入ります。

 企業が管理している個人の情報が流出したら,企業はどのような責任を負う
かということにいてをお話ししようと思います。

 参考となる裁判例として,宇治市住民基本台帳データ流出事件があります(
大阪高裁平成13年12月25日判決)。
 

 宇治市は,住民基本台帳データ(住民票データ)を利用して乳幼児検診シス
テムの開発を企図し,約20万人分のデータに係る開発業務をA社に委託しま
した。
A社は,宇治市の承認を得て開発業務をB社に再委託したところ,B会社は,
宇治市の承認を得ないまま,C社に開発業務を再々委託しました。
 ところが,C社のアルバイト従業員Dは,データをハードディスクにコピー
したうえ,MDにコピし,名簿業者E社に25万8000円で売却してしまっ
たのです。
 そして,E社は,このデータを加工して名簿として251人分のデータを販
売したのです。

 本件では,宇治市はB社との間で,などを含む業務委託契約を結んでいまし
た。そして,宇治市は,再々委託を承認してはいませんでした。
 インターネット上で購入を勧誘する広告が掲載されましたが,データがイン
ターネット上に掲載されて閲覧できるようになったわけでもなく,具体的な被
害はありませんでした。
 そもそも,流出した情報も,当時は,住民基本台帳法で,何人でも閲覧でき
ることになっておりました。

 しかし,それでも,裁判所は,宇治市の責任を認め,住民から宇治市に対す
る損害賠償請求を認めました。
 賠償額を算定する前提として,一人当たり慰謝料1万円と弁護士費用500
0円と認定しています。
 
 この事件は,地方公共団体に関するものですが,賠償額のいわば単価を考え
るうえで一般企業の場合にも参考になります。

 読者の方々の中には,安いと思われた方もたくさんいるかもしれません。
 しかし,この額は,具体的な被害が認定されない場合に認められたものであ
り,被害が損害と認められればその分も加算されます。

 そして,そうでなくとも,本件でもし扱ったデータ20万人分すべてに損害
を賠償しなければならない事態になっていたとすれば,その賠償額は30億円
に及ぶことになります。
 
 企業によっては,倒産を余儀なくされるという事態も想定される深刻な場面
となります。
 今日では,一旦不祥事が発覚すると,社会的責任や道義的責任までも徹底し
て追及されることになります。引責辞任はもとより風評被害といった社会的制
裁に及ぶことも少なくありません。雪印集団食中毒事件を発端としてグループ
の解体・再編を余儀なくされた雪印企業グループの例は衝撃的なことでした。

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 しかし他方,法令遵守を徹底することが,企業価値を高めることになるとい
うことも否定できないことです。

 一旦不祥事が発生した後の対応の事例ですが,個人情報流出事件として,5
1万人分の顧客リストが社外へ流出したジャパネットたかたの場合が有名です。
 同社の売上げは,前年705億円でしたが,この事件が起きた2004年に
は663億円にまで落ち込みました。しかし,同社の売上げは2006年には
1000億円を超え,2008年には1371億円となっています。
 同社は,事件発覚後,テレビや新聞で謝罪を繰り返し続け、消費者に対し適
切な対応をしたことが評価されており,かえって企業イメージを向上させた好
例です。


 以上は,日本では,法令遵守を意味するとされる「コンプライアンス」がど
のような考え方であるのか,なぜその考え方が重要視されるようになった理由
との関係ということからお伝えすべきところですが,メルマガの趣旨からはず
れますので,また機会があれ

ばということでご容赦下さい。

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   「酒井法子の『その後』」(平成10年2月11日)
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 東区・北区生活習慣病セミナー・アステラス製薬株式会社の共催するセミナーで,平成22年3月9日(火)午後19時45分から,「モンスターペイシェントについて」と題する講演をすることになりました。
 ⇒ http://www.smaedalaw.com/mt/2010/01/post-21.php

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