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メルマガ【弁護士前田尚一の「本当は怖い身近な法律問題」】の新作を発行しました。

2010年10月18日 18:40

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     本当は怖い身近な法律問題 vol.21  2010/10/18
          http://www.smaedalaw.com/
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 皆さん、こんにちは。札幌の弁護士,前田尚一です。

 以前,交通事故を素材に「新聞記者も知らない法律の世界」というテーマで
お話をしたいと予告しておりましたが,その前に,ちょっと交通事故訴訟の実
情などをお伝えしておきます。

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 実際にあった話です。

 荷馬車挽を自動車ではねた者に対し,将来被害者は荷馬車挽活動が不能にな
るとの予想のもとに,50万円の損害賠償を命じた裁判がありました。

 この判決は,昭和26年8月3日に確定しています。
 判決確定というのは,裁判所の判断を争えなくなるということです。何度も
何度も紛争を蒸し返すことができるということになれば,裁判の意味がなくな
るので,このような効力が認められています(実は不正確な説明ですが,ここ
ではそう理解しておいて下さい。)。
 
 「荷馬車挽」という言葉は,広辞苑にも載っていないのですが,荷馬車(荷
物を運ぶための馬車)に物をのせて運ぶことを仕事とする人らしいです(やや
くどい説明でした。)。

 随分と昔のことであり,貨幣価値が違うので,現在では50倍以上の金額に
なるかもしれません。そうすると,事故を起こした加害者が悪いといっても,
現実には,そう簡単に支払える金額ではないことは明らかです。

 加害者はこの賠償債務を苦にして列車に飛込自殺をしてしまいました。

 泣くに泣けないのは被害者です,と言う場面となるところですが,この事件
の場合は,そうではありませんでした。

 被害者は,負傷が快癒し,電話をひくなどして堂々と営業できるようになっ
ていったのです。

 ところが,それなのに,被害者は,判決が確定した後5年を経てから,相続
人である加害者の父母に対し強制執行をしたのです。

 被害者が後遺障害を負った場合,裁判所は将来を予想して加害者が負担する
損害額を決めるのですが,この予想があたらず,実際には,全く違った現実が
進行することがあるということです。

 さりとて,判決は確定しており,何度も何度も紛争を蒸し返すことができる
ということになれば,裁判の意味がなくなるということから,法律で,一定期
間経過すると判決は確定するというルールを決めたのですから,その時,その
時,都合良く法律上のルールを変えるわけにもいきません。

 さて,裁判所は,どのように裁いたのか,次回まで想像してみておいて下さ
い。


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  弁護士 前田 尚一(まえだ しょういち)
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