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お知らせ

メルマガ【弁護士前田尚一の「本当は怖い身近な法律問題」】の新作を発行しました。

2011年4月 1日 14:09

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     本当は怖い身近な法律問題 vol.32  2011/04/01
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 私の好みですと,mixiやTwitterより使い勝手がよいようです。
 よろしければ,お付き合い下さい。
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 さて,今回は,ちょっと恐るべき判決があったので,従来のテーマとの関
で,お知らせいたします。

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 司法担当の新聞記者であっても,裁判の仕組み,特に実際の動き方を誤解し
ており,当該事案の姿を間違って報道しかねない場面ということで,『新聞記
者も読み間違いかねない裁判の成り行き』というお題のお話を続けてきました。

 原告が提出した訴状を提出してした請求に対し,
 被告が,「答弁書」で,

     原告の請求を棄却する。

と見るからに争うような表現で答弁してきたからといって,
本気で争うつもりとはかぎらず,また,争うとはいっても合理的でない理由で
文句をいってきているだけという場合もあることをお話ししました。

 ここまでの復習は,こちらをご覧下さい。
 ⇒ http://bit.ly/gm22eF

 そして,より理解しやすくするために,横路にそれながら,さて,「見るか
らに争うような表現で答弁してきた」場合について具体的にご説明しようと思
っていた矢先,何と,次のような判決がありました。

   《C型肝炎で国に給付金請求 男性の訴え棄却 旭川地裁》

 北海道新聞の3月30日の記事です。
 C型肝炎訴訟が頻発し,感染被害者を早期・一律救済するとして略称「薬害
肝炎救済法」が制定され,平成20年1月から施行されました。フィブリノー
ゲン製剤など特定の薬剤の投与によりC型肝炎ウィルスに感染した一定の被害
者に対し,給付金が支給されることになりました(症状に応じて,4000万
円,2000万円,1200万円)。
 しかし,給付金の支給を受けるためには,まず訴訟を提起しなければならな
いこととされています。

 (以上については詳しくは, ⇒ http://bit.ly/hhdMAl をご覧下さい。)

 旭川地裁の判決は,このような訴訟について,原告の請求を棄却したもので
した。

 北海道新聞によると,

   弁護側が「製剤投与と感染の事実があれば救済すべきだ」と主張したの
  に対し,国側は「男性に剤の本数は少なく,大量の輸血も受けていること
  などから,感染は輸血によるもの」として,請求の棄却を求めていた

のでした。

 つまり,旭川地裁は,製剤投与の事実は認められたのに,大量の輸血を受け
たことから,原告の請求を棄却したのです。
 もちろん,訴訟における立証責任の理屈を突き詰めていけば,旭川地裁の考
えはオーソドックスといえる面があるのかもしれません。

 しかし,「薬害肝炎救済法」が,C型肝炎訴訟が頻発する中,感染被害者を
早期・一律救済するとして制定されたものです。製剤は止血剤ですので,輸血
と併用することが多いこと,扱われる案件は随分昔のものであり,大量の輸血
があったと言われたって,「いいや違う。製剤のせいだ!!」と証明できるは
ずなどありません。

 実際,同じく大量輸血併用の事案で,この法律における裁判所の役割を十分
理解し適切に対応した裁判官の下で,原告が国が和解し,給付金の支給を受け
ることができた事例もあるのです。
 昨年8月の大阪地裁の判決や本年1月の横浜地裁の判決はそのような裁判例
です。

 そもそも,給付金の支給を受けるためには,まず訴訟を提起しなければなら
ないこととされたこと自体,実は理解しにくいところで,せっかく,「薬害肝
炎救済法」が制定されたのに,感染被害者の救済を妨げることになると想定さ
れる一番の場面は,裁判官が,通常の訴訟と同様,主張・立証責任の理屈にと
らわれること,つまり,感染被害者に対し,平然と「あんたは原告なのですか
ら,証明をきちんとしなければいけません!!」などとの対応をすることなの
です。

 さて,大きく本質的な話に入りつつあり,これ以上は,もっとしっかりと書
いていかなければならない重大事項なので,このくらいにします。
 しかし,,もともとのテーマとの関係でいうと,ご紹介したC型肝炎訴訟で
は,3件どれも,国の「答弁書」には,

     原告の請求を棄却する。

と記載されていたはずです。

 実際,以前,実際例として紹介した「答弁書」(⇒ http://bit.ly/fv2d3N )
は当事務所が担当しているC型肝炎訴訟で国が提出してきたものです。


 旭川地裁と,大阪地裁・横浜地裁とでは,正反対の結論となりました。しか
も,勝ち負けに差が出でしかるべきような事案の差はないと推測されます。

 この場合,冒頭の方で説明した,見るからに争うような表現の「答弁書」を
提出してきたからといって,本気で争うつもりとはかぎらず,また,争うとは
いっても合理的でない理由で文句をいってきているだけという場合もあるとい
うのとは違うようにも見えますが,被告国の担当者らが,裁判所の場を借りて
何をしようとしているのかを想像する,必ずしもそうとは言い切れないという
ことも感じ取れてきます。

 この点はまた。


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  弁護士 前 田 尚 一(まえだ しょういち)
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