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お知らせ

メルマガ【弁護士前田尚一の「本当は怖い身近な法律問題」】の新作を発行しました。

2011年6月 7日 18:10

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     本当は怖い身近な法律問題 vol.34  2011/06/07
         http://www.smaedalaw.com
     http://www.jikokyusai119.jp (交通事故)
      http://saimuseiri-kabarai.com (債務整理)
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  前回お知らせした,GWのトルコ旅行中,現地の人に何度も取り囲まれた
  話を,『トルコで,ボコボコ,大統領』という題名で,ブログに掲載しま
 した。
  ご覧いただければ幸いです。

     ⇒ http://bit.ly/iEGM5t

  今回は,職業裁判官のプロたるゆえんについて,お話したいと思いま
 す。


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  最高裁判所は,"雲の上"の世界どころか,"あの世"の世界にあると思
 われていました。
 衆議院議員選挙の際に求められる最高裁判所裁判官国民審査を実感もって行
ったことがある人などほぼ100パーセントいないでしょう。実感があるとす
れば,対象となった最高裁判所裁判官ご自身だけといっても,過言ではないか
も知れません。

 最近届いた愛読する法律雑誌で,「変化する最高裁判決・その新傾向」とい
う特集が組まれていました(「ザ・ローヤーズ」平成23年6月号(アイ・エ
ル・エス出版))。

 従前の枠組みを変更するような果敢な判決がされているということは,その
とおりだと思います。
 最高裁判所が,社会のあるべき姿を想定して判断をすのは当然のことといわ
なければなりません。
 
 しかし,どんな裁判であっても,弱者と強者,正義の味方と悪人といった枠
組みだけで白黒を付けることは,誤りであるということは,きちんと確認して
おかなければなりません。
 現実の事件は,生き物であり,そんな簡単に単純化できるものではありませ
ん。
 事件の判断が,実は影響する価値観,性格などに引き摺られた無意識のうち
に,裁判官の思い込みに左右されて判断されたり,裁判官が世間の風潮に迎合
して判断することは避けなければなりません。裁判官も人間だから...,と言っ
て済まされることではありません。

 裁判官は,どんな事案であっても,このようなことがないようにする職業倫
理が課せられているのです。
 プロのプロたるゆえんとでもいうべき事柄であり,裁判官には,常に,意識
的に,このことを思い起こしてくれないと困ります。若い方には,上を目指し
て出世のことばかり考えられては困りますし,競争からはずれた老年の方に,
自己本位に冒険されても困るのです。

 この点があいまいな状況になると,裁判で示されるる結論が歪み,引いては
社会をおかしな方向に引っ張ります。

 私も,おかしな高等裁判所の判決を最高裁判所で破棄してもらったことがあ
ります。

  ⇒ http://www.smaedalaw.com/mt/2009/10/post-17.php
    (ここまで読み進められた方は,必読です。)

 もとより,私は,一方当事者の代理人ですから,徹夜を繰り返して対応した
事件に対する思いもあり,中立な立場とはいえず,偏った意見というべきかも
しれません。

 ただ,この最高裁判決を紹介した判例雑誌の解説も,

   《 本判決において指摘された事情を勘案すれば,本訴の提起が不当訴
訟に当たらないとした判断は相当であろう。
    原審の判断は,提訴者に高度の調査,検討義務を課するものあって,
裁判制度の自由な利用の確保という観点か
    らは,疑問があるものといわざるを得ない。》とか,
   《 訴訟の前提となる権利又は法律関係が事実的,法律的根拠を全く欠
くものではなかったとしても,提訴者に害
    意や嫌がらせなどの不当な目的があった場合にはなお,これが裁判制
度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠
    くものとして,不法行為に当たるか否かを検討する余地があるものと
思われる(文献略)が,本件は,そのよう
    な事案でではないことが暗に示唆されているものと思われる。》

などと評釈しているのです。

 これらの雑誌の評釈は,最高裁で事件を担当した調査官が書いているとも言
われており,通例は,破棄された原審判決に対する批判は控え目になされるの
が通例のようです。

 しかし,本件では,上記のような評釈に加え,上告審判決が,《従来の枠組
みを踏襲するものであ》るとしながらも,同判決の説示が,《本件が,報道に
より信用又は名誉が損なわれた事案であることを示》していると評釈していの
です。

 そういえば,久保利英明という著名な弁護士が,上記雑誌に,上記高等裁判
所判決の裁判長の行動について批判的論考を投稿しておりました(「裁判の退
化」は法科大学のせいか(同誌平成21年9月号))。

 私が,最高裁判所に提出した上告受理申立て理由書の中で,裁判の在り方の
問題点についても言及しました。
  * 理由書全文は64頁に及ぶ大作です。次のページをご覧下さい。
   ⇒ http://www.smaedalaw.com/memo/2010/03/post.php
     (PDFで現物に近い形での書面もご覧になれます。)

 その中で,最高裁に重要とされた部分には,次の記述が含まれています。
   * この重要とされた部分に関心がある方は,次の全文をご覧下さい。 
   ⇒ http://www.smaedalaw.com/memo/2010/03/post-1.php
     (PDFで現物に近い形での書面もご覧になれます。)

「......高等裁判所民事部が2箇部しかない高裁管内においては,上記のような
判断が,裁判官,殊に裁判長の考え・個性によって安易にされれば,管内での
控訴提起が萎縮抑制され,裁判制度の自由な利用が著しく阻害される結果とな
りかねない。
 なお,原審で取り調べられたA施設長の証言中には,確かに思い込み甚だし
いと評価されてもやむを得ないものもあるが,それは,事実そのものではなく,
判断過程,意見に関わる部分であって,原判決中に,敢えてA施設長の供述を
基に縷々事実認定をする一項を設けて,申立人に不利な結論を導く材料とする
までもないと考えられ,申立人の立場としては,A施設長の証言態度に対する
過剰反応と思わざるを得ない。」


 社会の大きな流れを枠組みとして判断しなければならない。
 しかし,事件ごとに,個別的に配慮しなければならない事柄ある。

 私の最高裁判所に対する期待です。

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 ○ 第1回 「交通事故の示談を簡単にしてはいけない!」
 ⇒ http://www.smaedalaw.com/mt/2011/04/post-56.php
 ⇒ http://www2.smaedalaw.com/zaisatsu201105.pdf (現物抜き刷り)
 ○ 第2回 「残業問題が会社を潰す!」
 ⇒ http://www.smaedalaw.com/mt/2011/05/post-57.php
 ⇒ http://www2.smaedalaw.com/zaisatsu201106.pdf (現物抜き刷り)
 ○ 第3回 「安易な解雇は,会社を壊滅させる!」



◎ 講演・執筆・取材の実績の確認・ご依頼については,こちらからどうぞ。
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    STV(札幌テレビ放送(北海道):日本テレビ系)
    放送番組:「どさんこワイド179ニュース」

  * 最近の弁護士前田の講演風景
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  弁護士 前 田 尚 一(まえだ しょういち)
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