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コラム

2010年3月アーカイブ


Q. 毎日交通事故のニュースが繰り返されています。被害者は,自分に非がないのに生活をめちゃくちゃにされてしまいます。被害者はどのような形で救済されるのでしょうか。
⇒ 一旦交通事故に遭ってしまうと,亡くなられた場合はもちろん,怪我を負った場合であっても,完全に元の状態にはもどらないのがほとんどです。
そこで,金銭で補うこと(金銭賠償の原則),つまり,被害を,「損害」という形で金銭的に評価し,加害者に賠償金の支払いを求める。通常は,保険会社や自動車共済が代わって支払う,そんな形になります。


Q. 今,「損害」という言葉がでてきましたが,どのように考えるのですか。
⇒  大きく分けると,「人損(じんそん)」と「物損(ぶっそん)」とに区別されますが,今日は,被害者自身に生じた損害,つまり「人損」について説明します。

 例えにして申し訳ありませんが,交通事故に遭って怪我をし,声が出なくなってしまったとします。

まず,病院に入院したり,通院したりで,治療費,交通費等の費用がかかります。
本当は出費する必要のなかった費用であり,損害になります。
被害者が実際に出さなければならない,ということで,「積極損害」といわれています。
しかし,このような無駄な出費に加えて,働けなくなるようになった場合の収入の減少(収入源)を損害とみるのです(「消極損害」)。

  入通院すれば仕事に出られませんし,声が出ないとなると仕事にならず,仕事を休まなければなりません。そうすると,給料とか報酬とかを貰えなくなる場合もあります。休んだ損害ということで,「休業損害」といわれています。

「後遺症」として「障害」が残ってしまう場合があります(「後遺障害」)。
治療が終わっても,声が出すことができないままになってしまったとか,声が上手くでないようになってしまったという場合です。
  そうなると,仕事を続けることが出来なくなってしまったり,ばりばり働けなくなってしまったりで,将来に渡って収入が減ることになることが予想されます。
 少し難しい言葉ですが,減ると予想される収入を後遺障害による「逸失(いっしつ)利益」(「得べかりしし利益」)といいます。
後遺症が残ってしまった場合には,労働能力が減ると考え,これから働ける期間(原則は67歳まで)の利益を逃してしまったと仮説をたてて損害を考えるのです
 

Q. 「慰謝料」という言葉もよく聞きますが。
⇒  今述べた損害(「財産的損害」)のほか,被害者は,入院や通院をしなければならないとか,後遺症が残った場合には,元に戻らない生活をしなければならず,つらい目にあうということで,精神的に辛いことがやまほどあります。これが,財産的損害と区別して精神的損害と呼ばれるものです。
このような精神的損害に対する賠償金を「慰謝料」といいます。


Q.  よくわかりました。このようにイメージがはっきりするのであれば,交通事故に遭ったとしても,損害額もはっきりし,保険でまかなえるように思えるのですか。

⇒ 保険には,自賠責保険と任意保険とがありますが,自賠責保険は最低限のもので,特に大きな事故になると,任意保険でないとまかなえません。
   しかし,任意保険に入っている場合であっても,保険会社もそれ自体営利事業であり,独自の支払基準をもっており,裁判所の基準より低いのです。また,先日も事件になりましたが,交通事故を偽装するような場合もあり,支払には慎重です,
特に,死亡事故であるとか,重い後遺症が残ったような場合は,裁判を起こして裁判所が認めてくれる賠償額と大きな開きが出ること場合が多いのです。
保険会社が提示する示談内容は,裁判所の基準より低い基準によるものですし,裁判では,弁護士費用や遅延損害金など示談提示されない損害も認められることになります。遅延損害金とは支払が完了するまでの利息のようなもので,年5パーセントですからばかになりません。

私の事務所で担当した事件の中にも,重い後遺症の事案で,残額が57万円と提示され,裁判所を起こした結果,2300万円余りの支払を受けることができた事例や,死亡事故の事案で,6000万円弱の提示であったものが、裁判を起こした結果、9200万円余りの支払を受けることができた事例もあります。


詳しくは,事務所のHPで具体例を挙げて説明してあります。

 ⇒ http://www.smaedalaw.com/personal/trafficaccident.php
(交通事故の解説)

 ⇒ http://www.smaedalaw.com/memo/2010/03/post-2.php
(交通事故の賠償額の比較)


Q.  「法律は弱い立場にあるものではなく,法律を知っている者に味方する」ということですね。
⇒ はい。そして被害者の落ち度を考慮して賠償額を減額しようと「過失相殺」が主張されたり,後遺症を認めるか,認めるとしてどの程度のものと考えるか争いがある場合など,自分だけでは対応が難しい場面がいろいろあります。理論武装する意味でも,早い時期に,ぜひ一度,専門家にご相談下さい。


 前田尚一法律事務所では,死亡事故の場合のほか,傷害事故で後遺障害等級認定を受けた場合,あるいは後遺障害が残ることに不安がある方については,無料で相談をお受けしています。

 ⇒ http://www.smaedalaw.com/consulting/free.php(無料法律相談)

 すぐにお電話で無料相談をご予約下さい。

  ⇒ 0120-481744(フリーダイヤル)

 最近,なぜか,自転車事故も含め交通事故の相談が増えており,取り急ぎ,事務所のHPの中に,対応するページをアップしました。

 ⇒ http://www.smaedalaw.com/mt/2010/03/post-25.php

 結論から言うと,交通事故に遭った場合,保険会社の提示する金額で示談するよりも,裁判を経た方が、支払を受けることができる金額が多くなるのが通例である,ということです。 
一方的に交通事故に巻き込まれ,身体を取り返しのつかないない状態にされ
たうえ,賠償金を値切られるということになれば,踏んだり蹴ったり,二重の
不幸というほかなく,そのような事態は絶対に避けなければなりません。

 驚くほどの金額の違いを,実感していただくため,当事務所で担当し,裁判を起こして賠償額を増額させた実例を,損害項目ごとの金額も示しながら,具体的に説明してあります。

 ⇒ http://www.smaedalaw.com/mt/2010/03/post-25.php


 先日,で,個人情報の価値を流出した企業側のトンデモナイ結末や逆の事例などをご紹介いたしました。
 ⇒ http://www.smaedalaw.com/shittoku/2010/02/post-5.php

 このお話は,ますます重要視されるようになった「コンプライアンス」にかかわることなのですが,今ひとつ,「コンプライアンス」の意味がピンとこない方が多いようなので,ほんのさわりだけご説明いたします。

 さて,日本では,「法令遵守」と意味で用いられています。この場合,法令という言葉には,法律だけではなく,広く倫理・道徳などの社会的規範も含んで使われるのが通例です。

 コンプライアンスは,各人の遵法精神を期待し,「法令遵守」を唱えるというだけではなく,現実に法令が遵守されている状態を継続するために,ルール,体制,手段を整えるなど有効な仕組み作りを実施することまでも含む考え方なのです。法律などを守らなければならないことは,言うまでもない当たり前のことです。しかし,現場は現実を優先しがちですから,外部の温度差があり,回避するための仕組みが必要なのです。

 なぜコンプライアンスが重要視されるのでしょうか

 背景を理解すると分かりやすいと思います。
特に2000年以降,消費者や投資家の被害が意識されるような企業の不祥事が多発しました。企業の違法行為・背信的行為に対する社会の目が厳しさを増し,社会の意識は大きく変化しました。このような中で,企業にとって,利益優先で活動することはかえってリスクが大きくする一方,法令遵守を実現する
企業は,その企業価値を高めることになる状況となったのです。

 個人情報流出事件として,51万人分の顧客リストが社外へ流出したジャパネットたかたの事案が有名です。同社の売上げは,前年705億円でしたが,この事件が起きた2004年には663億円にまで落ち込みました。しかし,同社の売上げは2006年には1000億円を超え,2008年には1371億円となっています。同社は,事件発覚後,テレビや新聞で謝罪を繰り返し続
け、消費者に対し適切な対応をしたことが評価されており,かえって企業イメージを向上させた好例です。

 このような背景の中で,コンプライアンスが重要視されるのは,今日,一旦不祥事を起こした場合の企業責任は極めて大きなものであって,企業の存立さえもおびやかしかねないものであるということです。企業が不祥事を引き起こした場合の責任としては,民事責任,刑事責任,行政責任といった法的責任が考えられます。今日では,一旦不祥事が発覚すると,社会的責任や道義的責任までも徹底して追及されることになります。引責辞任はもとより風評被害といった社会的制裁に及ぶことも少なくありません。雪印集団食中毒事件を発端としてグループの解体・再編を余儀なくされた雪印企業グループの例は衝撃的なことでした。

 しかも,企業自体または担当者が思っている以上に,不祥事が発覚しやすくなっているという現状にあることも重要でしょう。もちろん発覚しなければよいという意味ではありませんが,外部の監視の目が厳しくなっていることに加え,公益通報者保護法が施行されたとおり,内部告発を原則的に正当化するのが現在の流れなのです。

 なお,このように考えると,現実に法令が遵守されている状態を継続する仕組みの中には,場合に,損害を最小限に抑えるための対応としては,記者会見・謝罪・説明,リコールなどの在り方も含まれることになるでしょう。

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