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弁護士:前田尚一: 2009年9月アーカイブ

酒井法子被告が保釈 保証金の額で推測できるアイドルの経済力

保釈を報じるスポニチ

写真・酒井法子被告の保釈を報じる9月18日付スポニチ

 

 酒井法子被告の最近の話題というと、保釈。

 そこで、今回は、保釈について、ちょっとしたこぼれ話をお伝えしたい。

 酒井法子被告も、夫の高相祐一被告も、保釈保証金は、500万円。保釈保証金は、犯罪の性質や、被告の経済力などによって決まる。保釈保証金がなぜ必要とされるかが理解できると、その理由が分かる。後で説明する。

■ 例えば、ライブドア事件、村上ファンド事件。
 
 ライブドアのホリエモンこと堀江貴文氏は、保釈保証金3億円を納付して、逮捕後94日ぶりに保釈された(15キロ減量達成というのは素晴らしい)。堀江氏が、全面否認を続けている。そのため、証拠隠滅などのおそれがあるとされて公判で検察側立証が終わるまで保釈が認められない可能性もあるという見方も強かった。が、初公判を待たずに保釈が認められた。初公判前に主張の整理を済ませる「公判前整理手続」がとられたことで、被告人側の争い方が早期に明確となり証拠隠滅のおそれが低下したと判断されたといわれている。「公判前整理手続」は、「裁判員制度」を睨(にら)んで創設された新しい手続だ。
 
 村上ファンド事件。村上世彰(よしあき)氏は、証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕された。逮捕されて21日目で保釈された。保証金額は5億円。容疑をあっさり認めており、共犯もいないことから、スピード保釈となったようだ。
 
■ 保釈についての世間の誤解を正す!!

 世間では、保釈と聞くと「金さえ出せば、刑務所にも入らないで済むんだ!!」と腹を立てる人もいる。

 しかし、保釈は、起訴後も勾留(新聞などでは「拘置」とされる)されている被告人に、保釈保証金を納めるのと引換えに、身柄を釈放する制度だ。もし、被告人が裁判中に逃亡したり、裁判所の呼出しに応じなかったり、証拠を隠滅したりした場合には、再びその身柄を拘束するとともに、納められた保証金を取り上げる(没取)ことができる仕組みになっている。

 したがって、保釈保証金の額は、没収されると困るので、逃げないであろうということが、大きく考慮される。

 裁判の結果、禁固以上の実刑判決が言い渡された場合は、保釈の失効し、収監手続がとられる。
 
■ 保釈の具体例
 
 容疑を争う否認事件となると、保釈請求しても却下されるということが繰り返される。自白偏重だとか、「人質司法」等と言われ、非難されてきた。否認した場合の保釈までの期間の例として引き合いに出されるのが、当時衆議院議員であった鈴木宗男氏。平成14年6月19日に逮捕され、平成16年11月斡旋収賄罪など4つの罪で、懲役2年の実刑判決を東京地裁に言い渡され、東京高裁も実刑判決。現在、最高裁に上告中。
 
 保釈されたのは平成15年8月29日。身柄拘束期間は437日間。つまり「1年と2か月と10日」であった。
 
 長いといえば、懲役2年8月の実刑判決を受けた被告人。保釈が認められないまま4年10か月勾留されていた例がある。判決後すぐに釈放されたそうである。
 
 鈴木氏の保証金額は、5000万円である。政治家の例を挙げると、田中角栄元総理は2億円。巨額脱税事件の金丸信氏はホリエモンと同じ3億円だった。
 
 保証金額の最高額はというと、20億円。牛肉偽装事件のハンナン元会長の浅田満氏の場合。大阪地裁で懲役7年の実刑判決を受け、大阪高裁も同様。現在、上告中。
 
 イトマン事件の許永中氏。何と保釈中逃亡してしまった。平成3年7月に逮捕され、起訴された後、平成5年12月保釈されたが、平成9年10月韓国で失踪。平成11年11月東京都内のホテルで身柄が確保されるまで2年以上にわたって逃亡生活を続けていた。

 逃亡を手助けして逮捕された者の中には弁護士が3名いた。そのうちの1人は札幌弁護士会所属の弁護士であった。平成12年2月、公判が2年4か月ぶりに再開され、翌13年3月に懲役7年6月・罰金5億円の実刑判決を言い渡された。控訴、上告したが、最高裁は、平成17年10月、上告を棄却し、実刑が確定した。現在服役中。
 
 保証金額は6億円であった。3億円については,弁護士が保証書を提出するという方法がとられていたため、その弁護士が後始末をしなければならなくなった。
 
 弁護士といえば、安田好弘氏。後に東京地裁で、無罪判決を受けるが、東京高裁では有罪(罰金刑)。強制執行妨害の容疑で逮捕され起訴された後、保釈までの間295日間、10か月近くにわたって身柄を拘束されていた。保証金額は5000万円。

 最高裁での口頭弁論に欠席して話題になった山口母子殺害事件の弁護人だ。死刑廃止運動や冤罪事件の弁護で有名である。逮捕当時はオウム麻原裁判の主任弁護人であった。

 この種の話は、話し出すと切りがない。このくらいで終わりということで。

 というわけで、保証金の額は、経済力を推測するヒントとなる。

 で、ついでに、もう少しだけ、憶測することも可能だろう。

 酒井法子被告の場合、250万円だけ納付していた。マスコミは、保釈されるタイミングを見ていた、そんな報道が主流だった。

 しかし、そうであれば、保釈されたいときに、一気に500万円全額を納付すればよいだけのこと。

 思い出していただきたい。マスコミは、酒井法子被告は、髪の毛から覚せい剤が検出されるのを逃れるため、髪を短くしていたと。でも、髪の毛から検出されないようにするには、坊主頭にしなければならないはず。我々は、マスコミのもっともらしい報道を警戒しなければならない。

 そして、何故250万円だけ納付していたのか。もしかすると、一時の隆盛から、金額が500万円とされたものの、もしかすると火の車だったのかも。酒井法子被告の夫高相祐一被告の実家も、息子の500万円は用意しても、嫁の500万円を用意することを拒絶したかも知れない。

 もしかすると、酒井法子被告。実情は、火の車かも知れない。

 

前田弁護士

前田尚一弁護士 プロフィール 

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前田尚一法律事務所 法律情報
http://www.smaedalaw.com/jyoho.htm


 こちらを御覧下さい。
  ⇒ http://www.smaedalaw.com/mt/2009/09/bnn-1.php

 9月18日は,東京へ赴き,最高裁での弁論でした。
 ⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A3%E9%A0%AD%E5%BC%81%E8%AB%96
 とても,貴重な経験を得ることが出来ました。
 
最高裁での弁論終了後,名古屋に向かう新幹線の中で,ノートパソコンを起動させるとトンデモナイ事件が起きたことを知りました。

 札幌弁護士会の副会長が逮捕された昨日のニュースで,札幌弁護士会の副会長である弁護士が,覚せい剤所持で逮捕されました。
 奇しくも,酒井法子の保釈の日でした。
 ⇒ http://www.hokkaido-365.com/365column/bengoshi/2009/09/post-24.html
 随分前に(2002/08/20)になりますが,「弁護士の不祥事が続々...」という記事をかいたことがあります。弁護士大量増員時代に起きた事件ですが,大量増員の結果起きたことと,そうではない元来の不祥事とは区別して考える必要があります。
 このことは,近々,「BNNプラス北海道365」に寄稿しようと予定しています。

 閑話休題。

 話は少し戻ります。
 最高裁に赴き,玄関で守衛さんに,「すいませんが・・・」と声をかけると,「あっ,前田先生ですね。お待ち下さい。」と。
 そして,守衛さんが電話をかけてくれ,お迎えの方が,控え室まで案内されます。
時間になると,またお迎えが,法廷まで案内してくれます。今,この世の中に,こんな世界があるのかと,正直,感動致しました。

 私は,突如,理不尽にも私の依頼者を敗訴とした高裁の裁判長に,とてもとても感謝しなければなりません。

 最高裁の守衛さんに「あっ,前田先生ですね。お待ち下さい。」といわれ,その後外階段を上がって行く途中,その階段につっかかって,こけてしまいました。左足親指を突き指してしまったのです(最高裁でのお話しは,またいつかお話しします。)。

 3週間もたっても,痛みはとれない。女房の強い勧めで,自宅近くでお世話になっている鍼の先生のところに治療してもらいに参りました。
 この鍼の先生。鍼を刺さずに,患部以外の場所に置いて治療するのです。
 不思議。あの左足親指周辺の痛み,数分以内になくなったのです。

 この鍼の先生。美男ではありませんが,話がとても面白い。
 ⇒ http://www.tsuboya-shinkyu.com/info.html  治療中,先生と話をしながら,私が理解した鍼の極意は,どのような方法(戦術)で,血流をよくするか(戦略)にある。
 ですから,生理学的意味での原因そのものを取り除くわけではない。西洋医学とは発想が違います。

 西洋医学は,要するに,胃が癌になれば,胃を,手術で取り除いて,癌になったがする悪さを取り除くとともに,他への転移を排除するわけです。
 しかし,鍼は,本人が本来持つ「治癒力」の働きを極大化する。そのために,あるべき「治癒力」の活動を妨げている悪者共を退治して,血流を良くするという形で,本人の環境を整備する。私はそう理解しました。

 実は,このような考え方。私共の仕事の仕方にも,とても重要な示唆を与えます。
 法律により紛争を解決する場面は,誰がなんと言おうと,「勝ち負け」の世界です。
 そして,勝てるための,一番大事な要因は,ご自身の「生命力」(「治癒力」の
言い換えです。)だと思うのです。私が,「『法律』は、" 法律を知っている者に味方する!!"と言い,「『弁護士』の仕事は、"クライアント(依頼者)との協働作業"である、」と断言しているのは,そういった意味でのことです。


 ある離婚事件で,私が奥様の代理人となったとき,相手であるご主人は,こう言いました。

 「僕だけのことであれば裁判所までこない。離婚することは,キミがこれから幸せに生きていくためにも必要なことだから,裁判所の手続をしたんだ!!」


ふざけないで欲しい。そう思いませんか。でも,戦術として,「皆の幸せ」を相手にも思わせる同業者は,やはり一流です。残念ながら,上記事案の弁護士は,私と一緒になって怒っておりました。


 でも,お陰様で,・・・。

 私は,「勝ち負け」の法律の世界に巻き込まれたとき大事なことは,まず,依頼者が,
「勝ち負け」をどのようなものとイメージするか。
 そして,私が,依頼者が本来持っている「治癒力」をどれだけ引き出すことができるか,にかかっていると思います。


 こんなことを考えるようになったのも,上手いやり方を教えてくれるだけではなく,そういうことを自分で思いつけるようにご指導頂いている私のコンサルタント横浜のIR先生や,IR先生にご紹介いただき,北海道で会いたいと思っていた方と会う機会を設定してくれた,高輪にあるA社のA社長のお陰です。

 今月は,とても忙しいです。東京出張が3回あります。ひとつは,千葉県のある田園地域の裁判所支部で担当している相続事件。ひとつは,勉強に参ります。


 そして,もうひとつは,弁護士生活21年目にして,初めて,最高裁判所(最高裁)の口頭弁論という手続に呼ばれて赴きます。最高裁の口頭弁論というと,全国から回ってくる事件をさばくため,高等裁判所(高裁)の判決のままであれいば,口頭弁論を開く手間を省きます。
 というわけで,民事事件で,わざわざ口頭弁論を開くということは,高裁判決を変更するのが通例ですので,とても期待を持っているのです。

 なお,刑事事件ですと,高等裁判所で死刑判決だったような場合は,人の命にかかわる,極刑の判断であるだけに,例外的に,結論にかかわらず,口頭弁論が開くのが通例です。
 光市母子殺人事件を思い出すとご理解いただけると思います。 ただ,ある意味では,もっともらしさの演出という見方もできます。

www.hokkaido-365.com/365column/bengoshi/2008/04/post-19.html 

 その賛否はともかく,裁判員制度が始まった今,我々は,冷めた目を持ち合わせることも必要です

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